2008年8月28日木曜日

障害者向けソフト・機器の方向性について考える

 現在、障害者向けソフトや機器があります。これらの購入のために、市町村(含む東京都23区)が窓口となって、「日常生活用具給付等事業」を利用できます。 市町村によって、異なりますが、利用者の1割負担が大勢のようです。

 問題は購入後の利用者がソフトや機器を利用する地域でのサポートが十分でないことです。
 製造元、販売元、そして、民間の障害者ソフトや機器のサポート会社がありますが、全国地域どこでもサービスを供給できない状況です。  これらのサービスが活発でない地域では、パソコンボランティアなど支援する側には何の補助もないか、あっても、支援の実情に程遠い状況です。
 利用者にしても、市町村によって異なりますが、利用するごとに「日常生活用具給付等事業」を利用できるわけではありません。一回利用すると、数年は利用できないということが大勢のようです。
 買いたくても、あるいは、支援したくても、ソフトや機器が高価なので、どうにもできないのが現状です。 利用者で、自力でサポートのネットワークがあっても、中心となる方々が持っているソフトや機器以外はサポートできません。
 公的機関の活躍の場となるのですが、近年の緊縮財政のためか、事業は縮小傾向になり、多くは期待できません。

 数年前、NHK教育テレビで、TRONの坂村健氏の数回にわたる講座がありました。たしか、「ユビキタス コンピューティング」がテーマでした。その中で、障害者向け機能についての回がありました。
 その中で坂村氏が提唱していたのは、一般向け、いわゆる、健常者が使うソフトや機器に「障害者あるいは高齢者向け機能」を組み込んではどうかというものでした。 すなわち、ソフトや機器の「ユニバーサル デザイン」です。

 確かに、障害者向けソフトや機器が高価なのは、限られた利用者を対象としているからです。

 多くの健常者が障害者向け機能を組み込んだソフトや機器を購入すれば、価格は安くなります。そうすれば、障害者に手に入りやすくなります。 さらに、購入した健常者が組み込んだ機能を学習さえすれば、いわゆる「パソコンボランティア」になる機会が今より、増えます。

 OCRソフトに読み上げ機能※を組み込めば、活字文書読み上げソフトに転用できます。 
Windows Vistaからは、日本語音声エンジン※があるパソコンでは、既存のスクリーンリーダーには及びませんが、操作を読み上げるようになりました。 
 さらに、上肢障害の方にも使いやすくなっております。
 Skypeもまだまだですが、最新バージョンでは、日本語のスクリーンリーダーソフトに対応するようになりました。

※Windows XPからは、規格はSAPI5です。Vistaより、日本語音声エンジンが出ていますが、SAPI4のように、無料で提供されていません。

 現在、日本には、障害者向けソフトや機器を製作している企業や個人がおります。健常者向けソフトや機器を製造している企業は、それらの企業と共同して、障害者向け機能を組み込んでいただきたいと思います。 それらの企業のノウハウに対して、金銭的にも正当に評価すべきであります。

 高齢化を迎えるにあたって、高齢のパソコン利用者が増えます。高齢者にとって、障害者機能を組み込んだソフトや機器は、そのまま、転用できます。 

 「私のIT技術ノート」ブログと「資料室」サイトは、ソフトや機器のユニバーサルデザインの橋渡しになることを目指したいと思います。 
 経済的事情で、スクリーンリーダーソフトFocus Talkしかありませんが、そのソフトで、健常者向けソフトを使う、あるいは、その限界を広く、公開したいと思います。

 言語のバリアフリーの観点から、Windows Vista付属の機能やMicrosoft Office 2007の機能で外国語の入力もできるようになりました。今後、このことも紹介していきたいと思います。

 今後もよろしく、お願いいたします。

以上

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